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日米アカデミー賞作レビュー ボヘミアン・ラプソディー&万引き家族

こんにちは、手前田味噌子です。

話題の映画だけは押さえておく、という安っぽいモチベーションでしか映画館にいかない一般人のレビューです。まず「万引き家族」。

役者がとにかく上手。この役でオファー受けた時点で勝ち。朝ドラ「まんぷく」で国民的女優となった安藤サクラさんも、わざわざ、だらしない体つきにするために自堕落生活を送って役作りしたらしいです。

すごいなあ、女優魂。何の目的もなく、だらしない体つきになってる私って何。

日本の社会問題を軸に撮る是枝監督が描くのが、偽りの家族が寄り添って生きている姿。おそらく実際に都市部で起きている問題、ネグレクト、孤独、格差社会が生み出した、セーフティネットでは救えない人々が確かに近くにいるというリアリティで、苦しくなる。それでも名演技に圧倒されているうち、気が付いたらエンドロール。

ちなみに終盤の、安藤さんの泣き演技はもはや演技じゃない(いや演技)くらい胸をつかまれて、いろんな感情がドドドと押し寄せてきました。

家族って血縁だけじゃない、というテーマは「ボヘミアン・ラプソディ」も。

フレディ・マーキュリーの半生にある、孤独。人間誰もが心の奥に抱える孤独には向き合おうとしないところに、共感。自らその闇に向かっていき、もがき苦しむフレディの様子は、切ないのです。でもこれは彼に限ったことではないことに気が付くのです。パートナーがいない、とか、家族と離れているとか、離婚したばかり、とか婚活していても結果がでない、とか日常的で形式的にみえる孤独はそこらじゅうにあるから。はい、私も。

結局人は、一人で生きて一人で死んでいくんだよなあ(あいみょんの詩みたい)っていう人生哲学に出会ったときの何とも言えない安心感を、名曲バックに味わうわけです。バイセクシュアルとかHIVという事実は当時のタブーで、いつだって人に言えない苦しみを抱えているのが人。そういう孤独があるから、そばにいる人や家族の大切さに気が付かされるのかも。フレディの最期は孤独でなかった、と信じたい。

それにしても、ブライアンメイを演じた役者が似すぎ。ロジャーを演じた役者はかなりイケメン。

ちなみに「万引き家族」の安藤サクラの色気がほしい。

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