皆さんこんにちは。
今日は5月4日。本日、何回目かの自粛要請が安部首相から発表があり、
5月31日まで全国で緊急事態宣言の延長となりました。
この自粛の毎日で、自宅で庭や仕事部屋を片付けながら、本や展覧会の図録を整理していて、
改めて読み返しては新しい発見をしています。
今日は、2月16日に東京都美術館で閉幕したミナペルホネン/ 皆川明 つづく の図録をご紹介します。
この展覧会のタイトル『つづく』には、皆川明さんのある想いが込められています。
下記図録より抜粋
『私達は、空想や思考という形ではない意識から出発して物や事を創る。
その物や事は、私達の日々の中で、新たな記憶や空想という意識へとまた還っていく。
その循環は、暮らしという営みから人が得たこの星との繋がり方なのではないかと思っている。
この繋がりの中にあるものづくりの過程には、互いの喜びや尊厳や感謝のように、
感情という見えない熱量が含まれている。その熱量こそがデザインの魅力の源なのだと思う。
たった一枚の布や服の中に、創造の起点から生まれた原料のつくり手、
製品のつくり手の熱量が溢れるほどにあり、
それらは使い手自身の日々の暮らしの喜びや幸福感に
変換し記憶へと繋がっていく。
その記憶はやがてまた創造の種となって社会に蒔かれ新たな物へと続いていく。
「つづく」という本展のタイトルには、そのように思考と物と記憶の循環、
或いは作り手と使い手の喜びの循環、そしてこの星の物質の循環という、
{思考と生活と物質}を巡る、それぞれの視点と包括的な視点から生まれている。』
おお、、まさに、この言葉の通りの展覧会がそこにありました。
皆川さんをはじめとしたデザイナーや職人さんたちの熱量が会場に溢れていました。
今、私たちは自粛の中でかなり制限した社会の中で生きています。
エンターテイメントに携わる一社会人としてはかなり厳しい状況ではありますが、
この自粛の日々で、『ほんとうに大切にしたいもの』に しっかりと向き合う時間だと捉えて
大切に過ごしたいと思っています。
この図録の中にまさに今の状況をあらわしたような皆川さんの言葉がありました。
『何度も
一生は一度きりだけれども
人生は何度でも再生可能だ
だからこその失敗だし
だからこそ日々は繰り返す
そうやって何度も何度も生まれ変わって
一生が終わっていくのだろう』
未来を予測していたような言葉にはっとさせられます。
この図録は写真集の要素が多いので、1ページ1ページ優しいデザインを見ているだけで
ホッとしますし癒やされます。
わたしにとっておばあちゃんになるまで何度も読みかえしたいそんな一冊です。
ミナペルホネンサイトでも購入できるようです。
↓
https://www.mina-perhonen.jp/online_store/BK0062
東京展は終わってしまいましたが、展覧会は、兵庫県立美術館で6月27日から開催予定。
無事に開幕できますように・・・!
↓
会場風景 撮影:吉次史成
文:カルーセル・ミエ